慶應義塾新人弁論大会
大会趣意
本大会は長い歴史がある早慶新人弁論大会を引き継ぎ、新人弁士のさらなる成長の場として の発展を目指すものです。本大会には新人弁士のみが出場しますが、質として決して劣ること は無いと確信します。熱い思いを持ち、まとまった形で他者に自己の意見を伝えるというそん な弁士が集まることを期待します。
さて、新人大会というものには固有の性質が存在しています。このことは、弁論のみならず スポーツなど様々な協議の場において「新人大会」というものが設けられていることから理解 できます。こと弁論において特徴的なのは、多くの出場弁士がこの大会において初めて弁論作 成というものに携わる点に見出すことができます。自分の意見を他者に伝えるため、試行錯誤 し、その末に作り上げた意見を他者に対して堂々と訴えかける。これが新人弁士に求められる ものでしょう。
他方、そんな努力を行った弁士に対し、大会が提供できるものは何があるでしょうか。一つ は、議論の場の提供であり、これが主たる役割と言えるでしょう。弁士の主張に対し、聴衆が 野次・質疑を通して疑問を投げかけます。時には弁士の意見を全く持って取り違えた的外れな 質問、また弁士の熱意に対し根本から覆すような真正面からの攻撃に出くわすこともあるでし ょう。そこで、自分の意見について他者が真剣に議論を行ってくれるという環境は得難いもの です。
また、もう一つは議論を行った後、弁士の今後への発展を支援することも大会が行えること の一つでしょう。すなわち、自分の意見がどう伝わったか、どう理解されたか、どう批判され たかの綿密なフィードバックを弁士に伝えるということです。弁士はそれらの反省を活かし、 次はより良い意見を構築していくことでしょう。
弁論という場を通して養成される人とは、社会について自分の意見を持ち、他者に伝えよう という意志と能力を持った人間でしょう。逆説的ですが、議論をできるようになるには、議論 をするしかありません。議論の際の自分の成功、失敗を踏まえて何度も挑戦していくからこそ より良い議論をできるようになります。他者との対話、自分の意見を伝え、他者の意見を聞く。 これができるものこそが自立した個人、独立自尊の人といえるかもしれません。
以上のように、本大会では弁士に議論の場とその後の発展に向けた支援を提供し、弁士の成 長を支援します。そして、弁士には自立した個人として、近代社会の担い手として、ひいては 社会の先導者たらんことを欲し、ここ三田演説館にて大会を開催いたします。
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本大会は長い歴史がある早慶新人弁論大会を引き継ぎ、新人弁士のさらなる成長の場として の発展を目指すものです。本大会には新人弁士のみが出場しますが、質として決して劣ること は無いと確信します。熱い思いを持ち、まとまった形で他者に自己の意見を伝えるというそん な弁士が集まることを期待します。
さて、新人大会というものには固有の性質が存在しています。このことは、弁論のみならず スポーツなど様々な協議の場において「新人大会」というものが設けられていることから理解 できます。こと弁論において特徴的なのは、多くの出場弁士がこの大会において初めて弁論作 成というものに携わる点に見出すことができます。自分の意見を他者に伝えるため、試行錯誤 し、その末に作り上げた意見を他者に対して堂々と訴えかける。これが新人弁士に求められる ものでしょう。
他方、そんな努力を行った弁士に対し、大会が提供できるものは何があるでしょうか。一つ は、議論の場の提供であり、これが主たる役割と言えるでしょう。弁士の主張に対し、聴衆が 野次・質疑を通して疑問を投げかけます。時には弁士の意見を全く持って取り違えた的外れな 質問、また弁士の熱意に対し根本から覆すような真正面からの攻撃に出くわすこともあるでし ょう。そこで、自分の意見について他者が真剣に議論を行ってくれるという環境は得難いもの です。
また、もう一つは議論を行った後、弁士の今後への発展を支援することも大会が行えること の一つでしょう。すなわち、自分の意見がどう伝わったか、どう理解されたか、どう批判され たかの綿密なフィードバックを弁士に伝えるということです。弁士はそれらの反省を活かし、 次はより良い意見を構築していくことでしょう。
弁論という場を通して養成される人とは、社会について自分の意見を持ち、他者に伝えよう という意志と能力を持った人間でしょう。逆説的ですが、議論をできるようになるには、議論 をするしかありません。議論の際の自分の成功、失敗を踏まえて何度も挑戦していくからこそ より良い議論をできるようになります。他者との対話、自分の意見を伝え、他者の意見を聞く。 これができるものこそが自立した個人、独立自尊の人といえるかもしれません。
以上のように、本大会では弁士に議論の場とその後の発展に向けた支援を提供し、弁士の成 長を支援します。そして、弁士には自立した個人として、近代社会の担い手として、ひいては 社会の先導者たらんことを欲し、ここ三田演説館にて大会を開催いたします。
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